思考錯誤屋の呟き

「日々の事柄」を適宜更新中。

セキュリティ業界噺2

電気錠のプレゼンをしていると、必ずと言って良いほど停電時の対策を聞かれる。
この時、僕の方から「停電時にも解錠しなくてはなりませんか?」と質問をすると、カギ業界の担当者は異口同音に「停電時に解錠しないカギは不要」と言ふ。

カギの用途は様々だが、「停電時にも解錠しなくてはならない製品と、停電時には解錠してはならない製品がある」にも関わらず、だ。

喩えるなら、「停電時にも解錠しなくてはならない製品」としては、入退室のドアが判り易い例だろうか?
「停電時に施錠が基本」の製品は、金庫が代表的な例だと思ふ。


何? 停電時にも金庫を開けたい?


日本国内で、停電が起きるのは殆ど非常事態なのですが、非常時に金庫を開けるのは火事場ドロボーくらいではなかろうか。
非常時対策に解錠の仕組みを設けている金庫は、盗む側からすると容易く開けられる物でしかない。

先日の東日本大震災の後、4,000万円もの盗難被害に遭った信金があるそうだ。震災の影響で「鉄製ドアの電子ロックが壊れていた(←新聞記事のコメントより)」そうだが、簡単に開けられてしまったのは、どちらのタイプだったからでしょうね?

カギ業界には、リスクマネジメントの考えが通用しません。


蛇足だが、電“子”ロックではなく、電“気”ロックです。