思考錯誤屋の呟き

「日々の事柄」を適宜更新中。

生まれて間もない赤子。

目が見えるようになって暫くは、手足を眺め、動かしては眺め、伸ばしては眺め、曲げては眺め、と繰り返す。
そう…。
指の動かし方、足の使い方ってのは、マニュアルで覚えられるものじゃない。

いろんな現場で、新人さんを教えてきたが、保守の時はまずドライバーとネジを渡して「使ってみ」と。
ドライバーの持ち方、ネジの回し方一つで、その新人さんが“どれくらい道具に触れて来たか”、判るのよね。

ドライバーを回すものと思っている人は多い。
確かに回すのだけど、あれは回す力よりも対象物に押し付ける力の方が重要。
ジャム瓶とかの蓋が「開かない」と言う人は、大抵、回そうとしているのよね。
ドライバーと同じ理屈で、押し付ける力が重要。
押し付けつつ、軽く回す。

ドライバーの回し方、瓶の蓋の開け方…。
マニュアルを読んで学ぶ人は少ないだろう?
見よう見まね。
マニュアルがあったとしても、結局は身体で覚えるのよ。赤子が手足の動きを観察するように…。

子どもの転落事故かぁ…。
安全に対する、
設計側の、想像力の欠如。
親の、想像力の欠如。
…ってのを責めたところで、死んだ子は生き返らないのよ。

危険や安全の判断は、子どもでも出来るようになるのって、危険を体験してから…なんだよな。
だから。
大けがに繋がらない程度の危険に繋がる事象は、あえて未然に防がない。
そのバランスが難しいけども。

うちの子の時は二歳か三歳くらいまで、上がり框やテーブルの角にはクッション材をして、電気のコンセントには蓋をしていた。
ストーブはガードをしていたけれど、大人が触ってちょい熱いと感じる五十度くらいまで温めたところで、あえて触れさせ、熱いものと覚えさせたっけ。

高いところから落ちるってのも、下に布団やクッションを置いといて、「落ちる」ってのを身体に覚えこませたし。
「落ちる」を覚えさせてから、川や用水路の淵で、落ちそうな感覚も覚えさせたっけ。

転べば痛いし、ぶつかれば痛い。
「痛い」と身体が覚えていれば、高いところで身を乗り出す=危険となるのよ。
痛みは体感。
危険は知識。
頭でっかちな社会どっぷりのオトナが、忘れかけたもの。


~~3月26日の呟きより